Ⅲ-１　理事長を引き受ける？

このような状況で皆さんなら理事長を引き受けますか？

もし理事長を引き受けたら最大のリスクは？

当時のわたしもかなり悩みました。連帯保証人にはならなくていい、と言われていましたが、この点は遠からず、銀行から何か言ってくるだろうという予感がありました。ではもし連帯保証人を引き受けたらどうなるのでしょうか？
億単位の借入金ですから、一般人のわたしが、矢沢の永ちゃんみたいにCM出まくって何十億の借金返すとか無理ですし、自己破産するしかないのは明らかでした。

その頃のわたし自身には資産らしい資産は貯金が500万程度あるのみでしたので、経営再建に失敗して自己破産してしまっても失うのはその500万だけです。

理事長を引き受ける事に

自己破産してすっからかんになっても、医師免許を持っていれば、医師不足の地域に行けばかなりの高給で雇ってもらえるので、いきなり路上生活なんて事はなく、普通に生活できます。

それなら、理事長になるなんて事は普通はありえない事だからやってみようと考えました。

引き受けるにあたって

理事長を引き受ける場面は将来プロジェクトX的な番組のオファーがあった時に（今のところまったくありませんが）一つ目の山場になるな、と思いました。そこで、返事をする際、当時の事務方の幹部、看護部長達と食事に行き、その場でそこに集まった幹部たちに、皆さんの夢は何ですか、とそれぞれお伺いしました。それぞれの夢を皆が語り、その夢をすべて聞き終えた段階で、「では私が皆さんの夢を引き受けましょう」と返事をし、一緒に夢を叶えましょうという形で引き受けました。

わたしとしてはそれなりにドラマチックに引き受けたつもりだったんですが、この１年後くらいにその場にいた人たちに「こんな感じで引き受けましたよね？」と話を振ったら誰一人として覚えていなくてひどくがっかりしました。

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