という事で入職半年弱で雇われ理事長へと就任してまずは病院の改革です。
病院が大きく赤字の理由
引き受けた記事には書きませんでしたが、200床弱の病院がそこそこ満床で年間8000万超の赤字ってありえないから、もう少し普通にやればもっと業績は改善するだろうという何となくの見通しもありました。
実は後々知る事になるんですが、この8000万の赤字というのは裏があって、本部経費(借入金の利息だけで6000万超で、本部経費の総額は不明でした)を会計処理上全額病院の経費として算入していました。としても病院単体で0~2000万程度の黒字とみなされますからもう少し何とかなるはずです
経営面の改革に手をつける前に
経営的な事はひとまずおいて、臨床面の充実と、仕事の効率アップに取り組もうと思いました。本来の業務に割ける労力を増やす事ができますから、仕事の効率アップは必要です。また、臨床面を充実させる事はこういううまくいっていない病院の場合は必須と考えられます。医療・介護職の方々に経営の事を言うと、「それは患者(利用者)のためにならない」というようなエクスキューズを声高に唱える人が必ず現れます。多くの場合、そういう人はそれをエクスキューズにしているだけで、現状のぬるま湯体質が居心地のいい方たちです。そこで、いい医療を提供するためにこれは必要です、とこちらも主張する必要があるわけです。
実際には経営面の改革に手をつけるには当時のわたしはスキル不足だったというのもありました。
臨床面の充実のために
と言ったものの、わたしは理事長にはなりましたが、当時の院長はまだ在職で、特に命令を聞くという雰囲気でもなかったですし、以前の記事(Ⅱ-4 不思議なマネジメント形態)にも書きましたが、とにかく物事が決まらない運営形態だったから大変でした。
まずどうしても導入したかったのが約束処方のシートです。当時は不眠時、不穏時などの頓服が、カルテの中にのみ書かれていて、その最新の場所に付箋をはってあるという運用でした。これは非効率ですし、ミスにつながりやすいやり方でした。そこで、カルテ内にも記載するのですが、カルテの冊子の一番後ろに不眠時、不穏時などの指示がある程度あらかじめ印刷してあるシートをはさむ形式を導入しようと提案しました。が、これを導入するのに紆余曲折を経て、三か月近くを要しました。最後は、わたしが主治医の患者さんのカルテだけでも強行導入すると言ってごり押ししました。
改革は焦らず一歩ずつ
病棟の運営もいまひとつで、看護師さんが何か医師に聞きたい事があると、その都度院内PHSに電話をかけてきます。これは病棟の看護師さん側としても過去にいたトンデモな先生方のために防衛的にお願いできる時にお願いしておこうという意識が働いていたのはあると思います。
とはいえ、その日のうちにやればいいという緊急度の高くない事も都度電話をかけてくるので非効率極まりなかったです。これは午前と午後に必ず病棟に顔を出すからその時にまとめて伝えてくれるように毎日リーダーの看護師さんに伝える事によって1か月弱で改善されました。
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