Ⅲ-10 債務カット10億!

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再生計画は、熾烈な綱引きののちにほぼほぼ最終案ができてきました。

資産の再評価ののち、債務超過は12億強

再建計画を立てると同時に資産の簿価の見直しも行われました。建物や土地などを含めた資産から債務を引いたらマイナス10億ですよ、といわれていたわけですが、それはあくまで帳簿にのせた時点の価値でありますから、資産の価値を再評価してみる事になりました。このような作業は通常行われるようで、JALの時も行われています。

なぜ行われるのかというとその時の資産を適正価格で評価する必要があるという事。債務カットが行われると、カットされた分は利益になってしまいます。利益になればその部分には法人税がかかってしまうので簿価損を算入して利益を圧縮するという狙いもあります。JALはこの時に航空機の簿価損が莫大で何年間も法人税を払わなくてよくなった事は有名です。

当法人も資産の再評価を行ったところ簿価が下がり、債務超過は増加して債務超過は12億強という事になりました。

再建計画の最終案は?

再建計画は支援開始から約5年で債務超過がなくなる事を目標にします(当初は3年で債務超過を脱出する計画を立てると言われていたのですが、再生支援機構から地域経済活性化支援機構へと組織がかわるところで5年に変更になりました)。経営再建をして利益水準を上げていき、5年後で債務超過脱出。幾度となく続けた話し合いの結果でた再生計画は実現可能と考えられるところに落ち着きました。

支援機構の幹部、メインバンクの幹部、続々と来院

最終案がほぼ出たところで、これをメインバンク、内閣府、関係省庁に了承を得ないといけません。そこで通常、支援機構の幹部が一人、経営の責任者として会いにくるという事でした。慣例に従って、支援機構の常務、メインバンクの専務が面談に来た事までは想定内でしたが、最終的には支援機構の専務、社長も面談に来ました。いつもやり取りをしていた支援機構のスタッフは異例中の異例の事態だ、と言っていました。

債務カットは10億!

少しイレギュラーな事はありましたが、債務カットは10億と決定しました。8億くらいかなと予想していたので、思ったより少し多かったです。この時点で残債は9億強、債務超過は3億弱でした。

ちなみにこの時点でも、やっぱやめーた。とはぎりぎり言えました。

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