1つ前の記事で利益を増やすためには、売り上げを上げましょう、そのためにこのように目標共有しました。という内容を書きました。
通常の企業であれば、利益向上のために最初に取り組むのはむしろ経費削減だと思われます。そこに手をつけないなんて素人だな、と思われた方もいらっしゃると思います。素人であった事はあながち間違いではないのですが、そこには医療・介護業界ならではの事情もありました。
経費の60%が人件費
病院における最大の経費は人件費です。日本は正社員の身分ははんぱなく保証されていますから、簡単にはリストラできません。では非常勤を中心にすればいいと思われるかもしれませんが、非常勤の方もそれぞれ毎月これくらいは稼ぎたいという思いをもって働いていらっしゃる方がほとんどですから、あまりこちらの都合を押し付けると辞めてしまいます。今はほんとに人が雇えないご時世ですから職員が辞めてしまうとその採用のために費用がばく大にかかってしまい本末転倒になります。
病院には基準数というものがある
普通の企業であれば、この業務を行うのにはこの人数の社員を雇わないといけないという規制はないと思いますが(もしかしてあるのかもしれませんがわたしは存じ上げないです)、病院には基準数というものがあり、医師にしろ看護師にしろある一定以上の人数を雇わないといけないという制度があります。ちなみに病室などの面積もあったりします。保育園なんかもこういう規制がありますよね。こういった規制はある一定以上の質を担保するためには必要な制度なのかもしれません。
直近の1年間の平均患者数に対して、何人以上配置しないといけないというものです。これを二ヶ月連続で下回ると大変な事になります。
経費を削減するのは一旦保留にする
上記のような理由で職員を急に減らしたり、常勤を非常勤に転換するのは難しい事情がありました。これとは別に相模湖病院の場合は不当に給与が高い職員がいたらしいのですが、その当時のわたしは「医師以外の給与に口を出さない」という理念でやっていたので詳細を知るのはかなり後になります。
人件費以外の経費は?
それに関してもこの当時は手付かずでした。現在は(のちに記事にすると思います)、水道光熱費などもかなり削減できています。
皆が共有できる目標にする
ひとまず、みなが共有できる目標を掲げる事を最優先にしました。「法人が倒産しない」、「賞与が満額+α支給できる」、「いい医療、介護を提供する」と短絡的につながりそうなものを目標にして全体のまとまりを優先していました。
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