そもそもどうしてそんな多額の債務を抱える状態になってしまったのでしょうか?当時はわからなくて、その後支援機構がはいった後から徐々に詳細がわかってきました。時系列的にはどこに書けばいいのかわからなかったので章の区切りのいい、ここに書きたいと思います。
病院の建築費用
病院を建築するには現在だと100床で10億以上必要です。
相模湖病院は約100床の建物が2つありますがこのうちの新しい方の建物の建築費用の返済がまだ終わっていませんでした。
(病院の建築費用をまるまる負担して病棟の新築をすると経営はかなり厳しくなります、経営不振に陥る病院の何割かは病棟の建て替えを契機にしています)
老健の建築費用
老健の建築費用も病院と概ね同額必要と考えられます。老健たかつは100床です。この費用の返済も終わっていませんでした。
看護基準割れ状態の長期化
病院の入院基本料というのは患者数に対する看護師数によって変わってきます。15:1から18:1へ落ちると一日あたり900円程度基本料が下がります。これが一年続くと6000万の減収です。2年近く回復できなかったようで、大きく赤字を計上しました。
創業家への資金流出
MS法人というものを作って創業家へ資金が流出していました。
MS法人というのはメディカルサービス法人のことで、多くの場合、病院の土地や建物を病院に貸したり、人材派遣、リースなどを行ったりします。
すべてのMS法人が悪というわけではありませんが、それを用いた不明瞭な資金の流出が相当額あったようです。
上記以外にもここに書けないような事もいくつかありました。
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