マネジメント

クリニックの成功は立地7割?駅前か郊外か?#3

ひとまず銭湯のような動線で小児科と精神科を同じクリニックで共存させる事は決めました。

クリニックの立地、精神科と小児科で異なるニーズ?

クリニックが成功するかどうかは立地で7割程度が決まると思われます。精神科クリニックのいい立地といえば、駅近の方が通院の利便性が高いと思います。そして、あまり表通りに面しているところよりは一本筋を入ったところとか、ビルの2階以上がいいように思います。小児科の場合どうでしょう? 続きを読む

Ⅲ-5 メインバンクからの提案

名ばかりとはいえ理事長になりましたから渉外業務も少しずつ出てきます。病院の改革と並行して少しずつこなしていきました。

メインバンク担当者と面会

当時のメインバンクは某大手地方銀行で、そこから10億円強の借入金がありました。債務超過になっていますから、うちの担当は支店の担当者ではなく、経営が危ない取引先を担当する本部の部署が担当でした。いいスーツを着たその担当者と面会すると、「法人の最高責任者である理事長と連帯保証人が異なるというのはコンプライアンス上好ましくない」という事を言われました。遅かれ早かれそういう事を言ってくるだろうと予想していたので、「とはいえ、わたしとしても自分に一切責任のない債務の事は責任を持ちたくない、むしろここまで貸し付けた方の責任もあるんじゃないですか?」と返しました。

メインバンクからの提案

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Ⅲ-3 病院の改革は遅々として進まず

という事で入職半年弱で雇われ理事長へと就任してまずは病院の改革です。

病院が大きく赤字の理由

引き受けた記事には書きませんでしたが、200床弱の病院がそこそこ満床で年間8000万超の赤字ってありえないから、もう少し普通にやればもっと業績は改善するだろうという何となくの見通しもありました。
実は後々知る事になるんですが、この8000万の赤字というのは裏があって、本部経費(借入金の利息だけで6000万超で、本部経費の総額は不明でした)を会計処理上全額病院の経費として算入していました。としても病院単体で0~2000万程度の黒字とみなされますからもう少し何とかなるはずです

経営面の改革に手をつける前に

経営的な事はひとまずおいて、臨床面の充実と、仕事の効率アップに取り組もうと思いました。本来の業務に割ける労力を増やす事ができますから、仕事の効率アップは必要です。また、臨床面を充実させる事はこういううまくいっていない病院の場合は必須と考えられます。医療・介護職の方々に経営の事を言うと、「それは患者(利用者)のためにならない」というようなエクスキューズを声高に唱える人が必ず現れます。多くの場合、そういう人はそれをエクスキューズにしているだけで、現状のぬるま湯体質が居心地のいい方たちです。そこで、いい医療を提供するためにこれは必要です、とこちらも主張する必要があるわけです。

実際には経営面の改革に手をつけるには当時のわたしはスキル不足だったというのもありました。

臨床面の充実のために

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Ⅱ-6 借金20億!債務超過?BS?PL?

遠からず院長になることは内心想定していましたが、理事長って普通ならないですよね?それにはもちろん理由があるわけでして

債務超過と言われても

理事長を依頼された時に法人の財務状況の説明を受けました。入職前は全く知らなかったのですが、借入金が約20億円あり、債務超過が10億程度とのことでした。当時私は財務諸表を見たりだとかそういったことは全く知識がなくて、債務超過?BS?PL?経常利益?ってレベルでしたのでその場で決断できるはずもありません。いったん持ち帰らせてもらって、まずはkindleで100円とか無料の決算書の読み方的な本を何冊か読んでみました。付け焼刃ではありますが、財務諸表については少し理解しました。(債務超過や、財務諸表の見方については別のページを用意する予定です。)

当時の東華会の財務状況

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Ⅱ-4 不思議なマネジメント形態

通常の病院では、経営者として理事長がいて、院長、事務長、看護部長の三人がそれぞれの現場のトップで、そのメンバーが運営の中心という形態が多いのではないかと思います。

マネジメントを誰がしているのかわからない

相模湖病院に入職当初は、この病院はどこでなにがどのように決まっているのかよくわからないな、という印象を抱いていました。
何か新しい提案をしても、なかなか結論が出ないし、場合によってはうやむやなまま月日が過ぎるだけでした。

当時の相模湖病院は院長は前述のような方で(Ⅱ-1 トンデモ院長part1)ありましたからもちろん病院の運営にはノータッチでした。

不思議な運営状況

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